マイスターに聞いてみよう

No.6
みそ製造 ものづくりマイスター
中村元保さん

昔ながらの手作業を
大切に、
旨味たっぷりの
味噌をつくっています。

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「みそ製造」のものづくりマイスターであり、中村醸造場(須坂市)の三代目でもある、中村元保さんに話を伺いました。

味噌醸造とは、どのような仕事なのでしょうか?

日本人の食事に欠かせない調味料である味噌は、大豆と米と塩でつくられています。味噌づくりは寒仕込みといって、例年1月からスタートします。まずは糀(こうじ)づくりですが、蒸して冷ましたお米に麹菌をふりかけていきます。当社は盛り箱に手作業で米を盛っていく昔ながらの「箱盛り糀」という手法で用いていますが、人の手で薄く米を伸ばすことによって、糀菌が発酵していく際に発生する熱をより効率的に冷ますことができます。
約2日間かけて糀をつくり、その後、蒸し煮にした大豆、塩と合わせて、熟成をさせることで味噌ができあがります。熟成期間は種類によっても異なりますが、糀の多いものは数ヶ月、逆に大豆の多いものは1年ほど寝かせます。

どんな時にこの仕事のやりがいや面白さを感じますか?

「お宅の味噌がないと困る」「この味の味噌がなかなかないのよね」とお客様に言っていただける瞬間でしょうか。近年は核家族が多くなり、各家庭の消費も少なくなってきているのですが、少量でも気に入ったものを使いたいという方も多くいらっしゃいます。
また、人づてに聞いたとか、勧められて食べて好きになったなど、自分では宣伝していないところに広がっていることを知ると感動します。味噌がひとりで歩いていって、ブランドを発信しているかのようですよね。味噌を通じて、皆さんの生活に役立てている。そういう仕事に出会えたのは、すごいことだと思っています。

ものづくりマイスターとしての展望を教えてください。

地域の小学校の先生に、子供たちに味噌づくりを教えてやってくれませんかと言われて訪問したことがきっかけで、こういった活動を始めました。今では、子供も大人も目を輝かせて「大豆ってこんなに甘いんだね」って感動している姿に私も励まされています。これまで味噌づくりの実習では、煮豆を潰すところから始めていたのですが、今後はワンランク上げて、豆を煮るところから始めたいですね。もっと欲を言えば、畑で大豆から育てていきたい。「農」という食育の根幹から触れることができれば、学びも深くなります。マイスター制度を活用しながら、味噌づくりの奥深さを広めていきたいですね。

最後に、ものづくりを目指す若者へのメッセージをお願いします。

なんだっていい、情熱を注げるものを見つけたら、とにかく一生懸命取り組んでみることです。物事を探ってみると根っこの部分に本当に大切なものが潜んでいたりします。大変だとか汚れるとかそんなことよりも、根っこの部分をよく見て、その仕事の本質的な素晴らしさを見つけていってもらいたいです。
自分の作ったものでお客様が幸せになってくれる。こんな素晴らしい体験は、貴重なことだと思っています。

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糀を薄く板状に広げることで、発酵の際の熱を上手く逃がすことができます

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温度・湿度が管理された糀部屋で、箱盛りにした糀を寝かせます

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糀と大豆の割合によって適正期間、味噌を寝かせていきます

会社情報

中村醸造場

中村醸造場

大正10年、醤油加工業として創業。醤油を作るかたわら、地域の家庭の仕込み味噌をつくっていました。味噌製造がメインとなった現在も、創業当時の製法を守る「手作りの味」を大切にしています。全ての塩・大豆の原産地を表記する「素材の透明化」にも取り組んでいます。

中村醸造場 公式サイト

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