マイスターに聞いてみよう

No.2
機械検査 ものづくりマイスター
池上俊広さん

製品の品質を保つために欠かせない
ものづくりの基本となる技能です。

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機械検査とは、どのような仕事なのでしょうか?

機械検査とは、ものづくりの基本となる製品の正確さを測る技能です。例えば、別々の工場で作った部品を集めて製品を組み立てるとき、設計した寸法通りでないとできあがりません。その部品が指定通りの寸法で正しく加工されているのか測定することが「機械検査」の役割なんです。一口に機械検査といってもさまざまな方法があり、ノギスやマイクロメーター、3次元測定器といった専門の測定器を用途に合せて使用します。正確に測るためには、測定器だけに頼るのではなく、経験に基づいた技術者の考える力がとても重要です。ピタゴラスの定理や三角関数などを使って計算することも多いので、数学や機械設計の基礎知識も必要になってきますね。

専門的な仕事だと思いますが、やりがいはどんなときに感じますか?

機械検査は、直接製品を作り上げる技能ではないのですが、製品のクオリティを支える重要な仕事です。商品を納品して返品が全くなかったとき、不良品を出さない品質管理が整っていると評価されることはうれしいです。検査の技術を身につけるためには、失敗や成功を重ね、日々コツコツと努力していくしかないと思うんですね。職場では筋の通っていることであれば、きちんと自分の意見を伝え、周囲に認めてもらえるような存在になることが大切です。私も上司や先輩に認められると、さらに頑張って仕事をしたものです。頑張ったり努力しているうちって、疲れないし、残業だってやらされているとは思わない。むしろ、もっと仕事したいと思うんですよね。前向きな姿勢で仕事を続けていけば、さまざまな仕事にチャレンジできる環境が与えられると思います。
機械検査だけに限らず、ものづくりに大切な「考える力」を養うために、ぜひ若いうちから本を読んでほしいですね。読書をすることで想像力や表現力が養われ、人間の幅を広げることに繋がります。それがきっと仕事に生かせるときが来ると思いますよ。

今後、ものづくりマイスターとしての展望を教えてください。

機械加工の技能検定員としての活動や「現代の名工」に選ばれたことを評価していただき、協会の方から「ものづくりマイスター」の制度を勧めていただきました。今日は飯田OIDE長姫高校で指導をしましたが、受講していた生徒はとても真剣に作業してくれました。いつも生徒が興味を持てるようわかりやすく指導することを心掛けています。ものづくり分野の新たな担い手を育成することはとても重要です。今後も自分ができる範囲で協力、応援していきたいと思っています。

最後に、ものづくりを目指す若者へアドバイスをお願いします。

失敗を恐れないでほしいですね。失敗や挫折を味わってこそ気がつくことがたくさんあるんです。時に回り道したり、上手くいかないことは誰にでもあるもの。そういった経験を経て、問題が起きた時に対処できる力や忍耐力が身につくんです。さまざまな体験を積み重ねながら、ものづくりの重要性や楽しさを感じ、 将来を担う素晴らしい技術者を目指してほしいと思います。

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マイスターの指導のもと、測定作業をする

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機械検査を知り尽くしたマイスターならではの講義です

受講生の感想

飯田OIDE長姫高等学校 電子機械工学科1年上沼弘晃さん

飯田OIDE長姫高等学校 電子機械工学科1年
上沼弘晃さん

池上さんは今まで気が付かなかった大事なポイントを教えてくれるのでとても勉強になります。測定する時に隙間が開いてしまったりしてうまく測れないことがあるんですが、コツを教えていただいたので上手く測れるようになりました。今日、学んだことをしっかり生かしていきたいです。

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