マイスターに聞いてみよう

No.4
電子回路接続、電子機器組立て ものづくりマイスター
大峡国昭さん

電子回路を繋ぎ、
組み立てる技術が
私たちの生活に欠かせない
電気製品を作る

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「電子回路接続」「電子機器組立て」のものづくりマイスターであり、電気計測器の専門メーカー・日置電機株式会社(上田市)に勤務する大峡(おおば)国昭さんに話を伺いました。

「電子回路接続」「電子機器組立て」とは、どのような仕事なんでしょうか。

家電製品や自動車、スマートフォンなど私たちの身の周りにはたくさんの電子機器があります。これら製品の中には、板状の基板と電子部品が入っていて、制御の中枢はマイクロコンピュータが担っています。「電子回路接続」「電子機器組立て」とは、基板に電子部品をはんだ付けやねじ締め、圧着などの方法によって接続し、電子製品を組み立てていく技能のことです。基板だけでは何もできないので、その周りに筐体(きょうたい)と呼ばれる外枠を取り付け、製品として仕上げていきます。

「電子機器組立て」については、技能検定で電気的に正常動作することが合格の条件となるので、「調整・検査作業ができる」「回路図から動作を理解できる」「動作不良のとき原因を解析し修繕できる」といったスキルも必要になってきます。

どんな時にこの仕事のやりがいや面白さを感じますか。

電子機器の核となるのは、基板です。基板に電子部品をはんだ付けすることで、はじめてさまざまな機能を果たします。はんだ付けの技術は非常に奥が深く、はんだごてを当てる角度やスピードなど、瞬時にたくさんのことを考えながら作業しなければなりません。出来栄えをチェックして、もし思い通りになっていなかったら、次の作戦を考える。小さな成功と失敗を繰り返していくことで、技術は磨かれていきます。経験を積むほど応用が利くようになり、さまざまなモノを作り上げられる達成感が、この仕事を通じて得られる大きなやりがいだと思います。

現在、はんだ付けも機械による自動化が進んでいます。自動化されると製品も安価になるといったメリットもあります。しかし、技術としては廃れていってしまい、いざ機械ではできないことをやろうとしたとき、手も足も出なくなってしまいます。そういった意味でも、技術は絶対に継承させ、次の世代に残していかなければならないと思っています。

ものづくりマイスターとしての展望を教えてください。

私が技術を磨くために心掛けてきたのは、損得勘定では考えないこと。技能というものは、損得ばかり考えていては身につくものではないと思っています。苦労を惜しまない仕事を心がければ、おのずと結果がついてきます。この思いは、ものづくりマイスターとして指導するうえでも同じです。

これまでの講習会を振り返ってみると、思い通りの授業ができず、自分なりに反省することもありました。子育てを通じて親も成長するのと同じで、私も受講生に指導しながら多くのことを学んでいます。今後も、ものづくりマイスターとしての依頼があれば、快く引き受けていきたいですし、それが自分自身への成長にも繋がると思っています。私の講習を受けた人たちが立派に成長していく姿を見るのはうれしいですし、やりがいにも繋がっています。

ものづくりを目指す若者へメッセージをお願いします。

これまでに教えてきた受講生は、何でも素直に受け入れてくれるのですが、「なぜそうなのか?」と疑問に思うことがあまりないんです。私もときどき失敗することがあるし、もしかしたら間違ったことを言うかもしれない。聞いたことをうのみにするのではく、疑問に思ったことを自ら試してみる意欲を持ってほしいですね。「自分は将来こうなりたい」「夢に向かって何を勉強すべきか」という、はっきりとしたビジョンを持つことで、どんな困難も乗り越えられる強い精神力が身につくと思いますよ。

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ほとんどの電気製品は電子部品を基板に接続した電子回路を中心に構成されています

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はんだを加熱しながら基板と電子部品を接合していきます。道具がシンプルな分、経験と技術を必要とする仕事です

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長野県工科短期大学校での技能講習会の様子

会社情報

日置電機株式会社

日置電機株式会社

産業の「マザーツール」と呼ばれる電気計測器の専門メーカー。創業は1935年。電気計測器は、電気工事・設備の保守点検をはじめ、スマートフォンやパソコンに使用される電子部品の検査や電気自動車の開発など、あらゆる分野でかかせないものです。「オンリーワンへの挑戦で高付加価値企業を目指す」をスローガンに独自製品の開発に力を注いでいます。

日置電機株式会社 公式サイト

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