title_03_01
pic_03_01

製造責任者・蔵人
尾澤美由紀さん
尾澤酒造場

江戸時代に創業し、全国の酒蔵のなかでも最小規模(生産石数約100石)ながら酵母を使い分け、それぞれの特性を生かした清酒を醸しています。

どうしたらこの仕事に就けるの?
酒造りの職人になるには、直接酒蔵に入って現場で経験を積む方法が一般的です。かつては農家の人たちが冬場の農閑期に、酒蔵の仕込みに参加して行われていましたが、現在は、技術力の向上や若手の育成などの観点から、杜氏や職人を社員として年間雇用する酒蔵が増えてきています。また、最近では大学の農学部などで生命工学や醸造学、バイオテクノロジーを学んだ若者の新たな就職先としても酒蔵は注目されていますが、訓練さえ積めば誰でも職人になることができます。なお、必須の資格や学歴はありませんが、「酒造技能士」という国家資格もあります。
どんな人が向いている?
微生物という生き物が相手なので、醸造期間中は休日もなく、寝ずの番をすることもあり、肉体的にも精神的に厳しい仕事なので、根性があって、修業をしながら勘を身に付けていく職人的な働き方が好きな人が向いています。
この仕事のやりがいは?
職人全員でひとつのものを造り上げる楽しさがあります。そして、手塩にかけて造った日本酒がおいしければ感動しますし、「去年よりおいしい」と笑顔で飲んでいる人を見るとうれしく思います。
この仕事の難しさは?
微生物は生き物ながら、赤ちゃんやペットと違って意思表示をしてくれないので、目には見えないものを五感で感じ取る難しさがあります。また、人間が考えて微生物の環境を整える必要がある責任が重い仕事です。
pic_03_02

味噌製造技能士
成澤和弘さん
酢屋亀本店

善光寺門前で百余年に渡って味噌造りを行う味噌蔵。厳選された材料を使い、米味噌のほか、「みそソフトクリーム」など新しい味を次々と誕生させ、味噌の新しい可能性に挑戦しています。

どうしたらこの仕事に就けるの?
味噌造り職人になるには、特に資格は必要ありません。大手メーカーではほとんどの工程が機械化されているので、職人的な仕事をしたいのなら、小さな蔵元で働くことになります。蔵元の数は全国に1200~1300社ほど。20kg~30kgの原料をしょっちゅう持ち上げる力仕事が多いので男性の職人が多いのですが、最近は若い女性も進出しています。また、醸造学などが学べる大学で勉強したあとに就職する方法もあります。
どんな人が向いている?
味噌造りはシンプルな工程だからこそ、ごまかしが利かないので、細やかな気配りや気遣いができる人が向いています。そして、食べることやものづくりが好きな人にも向いています。また、時代に合った商品開発をするなど、言われたことだけではなく、自分で考えたり工夫ができる人は、個性を生かして仕事ができるでしょう。そして、集中力が持続でき、誰かに料理を作って食べてもらうなど、人に喜びを与えることが好きな人にも向いています。開けたドアを閉める、落ちているゴミを拾うなど、当たり前のことを当たり前にやり、日常生活がきちんとできる人は味噌造りもきちんとできます。
この仕事のやりがいは?
発酵食品は微生物が相手なので、常に同じものが造れず微妙な差が生まれることから、日々味噌の表情や品質の違いを感じ、工夫と改善が求められるため、変化に富んだ仕事ができるおもしろさがあります。また、微生物が発酵しやすいように適切な温度や湿度を与えて環境を整えてあげ、菌を制御する役割を担う仕事は、やりがいがあります。よい発酵をさせれば、よい色の味噌ができ、工夫のしがいがある点も魅力です。
この仕事の難しさは?
冬は寒く、夏は暑い仕事です。そして、異物混入は厳禁で、清酒や醤油は濾過(ろか)をしますが、味噌は濾過ができないので、衛生管理や設備の掃除には気を遣います。また、料理人の場合は作ったその場ですぐに料理が提供ができますが、調味料は長期間品質を維持する必要がある点も難しいところです。温度管理にもとても気を遣います。
pic_brew_navi_01
pic_brew_navi_02
pic_brew_navi_03
pic_brew_navi_04
MENU