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庭を造る「庭師」の仕事は、庭木の剪定を行う植木屋さんを想像しがちですが、和風庭園から洋風ガーデン、ビオトープや屋上庭園、公園の緑化や街路樹の剪定、樹木医の仕事など、幅広い業務があります。そのため、樹木や植物だけでなく、建築や土木、気象学など幅広い知識と技術が求められます。また、美しい庭園づくりのためには美的センスも必要。屋外作業が中心で体力も必要な大変な仕事ですが、国や県・市町村の公共事業から個人宅の庭造りまで、さまざまなニーズがあります。

幅広い庭師の仕事

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和風庭園
自然の風景を手本に「曲線による造形と左右非対称」を特徴とする日本の伝統的な庭園は、長年、独自の様式美を受け継いできました。個人宅の小さな庭でも、造園の基礎を持つ庭師の手が入れば、たちまち美しく整えられます。松や梅など日本を代表する植物を中心に、石や池、灯篭、竹細工などを使い、塀や竹垣、石張り、つくばいなども造ります。

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枯山水風庭園
枯山水とは和風庭園の様式のひとつで、水を使わずに石や砂などで山水の風景や水の流れを表現している庭園です。屋内から静かに鑑賞するよう構成されており、白砂の上に大小の自然石を組み合わせることで、ひとつの世界観を創造します。 こうした枯山水庭園は禅寺に多くみられるほか、個人宅でも用いられます。

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寺社・仏閣庭園
散歩したり花を愛でる回遊式庭園や、禅寺によく見られる枯山水、仙人の住む蓬莱島や縁起のよい鶴や亀を模した島々を配する様式など、宗教や信仰、思想によって趣の異なる庭園の造園を行っています。庭園の美しさや力強い構成美を考え、歴史や伝統を大切にしながら構成や色彩などに現代の感覚を取り入れています。

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洋風ガーデン
日本の生活様式も欧米化され、洋風の住宅が多くなりました。それに伴い、庭も芝生を植えたり花壇を作ってガーデニングを楽しむといった洋風庭園が増えてきています。また、テラスやベランダ、ウッドデッキやガーデンフェンスなども設えたおしゃれな形式美も求められています。

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エクステリア
住宅の周りの外観を引き立てる門や塀・車庫などの「エクステリア」を造るのも造園の仕事です。アイテムのデザインや機能性はさまざまで、造り手の空間センスが問われます。エクステリアによって、庭の用途や庭での過ごし方が変わってきます。

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屋上庭園
建物の屋上やベランダに庭園を造ることで、建物を美しく見せたり断熱性を高めることができます。こうした屋上緑化も造園の仕事。造園だけでなく建築の知識も求められ、知識がきちんと身についていないと雨漏りを招いたり、排水管が埋まって屋上が池になったり、植物が風で飛んだり、屋上の荷重制限を越えるといった事故を招いてしまいます。

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街路樹の剪定
街に美しい緑の潤いを与えている街路樹は剪定をしないと、枝が伸びすぎて通行人や近隣住宅に支障を来したり、病気にもなりやすくなります。街路樹の剪定には、季節によって夏季剪定と冬季剪定という異なる剪定方法があり、木の生理に合わせた剪定方法で行います。「街路樹剪定士」といった資格もあります。

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大木移植
引っ越しや道路拡張といった理由で、庭の木を移動することがあります。まずは「根回し」といって移動の際に根が傷まないよう麻などで巻いて保護する作業を行い、クレーン車などで垂直につってトラックに載せ、新しい土地に移動します。移動して枯れてしまうことがないよう、時には数年かけて丁寧に根回しを行うなど、念入りな仕事が求められます。

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樹木医
「 木のお医者さん」として、天然記念物のような名木から街路樹や庭木などの身近な樹木まで、傷んだり病気になった元気のない樹木を回復させるため、科学的な診断をして外科的な手術をしたり、薬品などの投与を行います。また、病気の予防やほかの樹木の保護育成なども行います。木がどうなっているかを調べるため、CTスキャン(コンピュータを使った断層撮影)を行うこともあります。

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公園造り
緑豊かで多くの人が楽しめ、親しまれる公園造りも造園の仕事。集落や都市の環境改善のための計画やデザイン、土木の基盤整備や植物の栽培管理、花壇などの整備といった施工や管理までを行います。近年ではテーマパークなども造園の仕事とされています。

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ビオトープ
「ビオトープ」とはさまざまな生物たちがお互いにつながりをもって生きられる場所(環境)のこと。公園や川や、里山でのビオトープ造りも造園の仕事です。生態系や自然環境を考慮した造園設計・施工を行うことで、すべての生き物に快適な生活環境を提供し、私たちの生活も豊かにします。

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ツリークライミング
ロープを使って木に登るツリークライミングの技術を身につけることで、高木の剪定や伐採を安全に行なうことができます。高所作業車を使えないので、狭い場所での剪定が可能です。また、樹木にダメージを与えずに登ることができ、林業の分野でも活用されています。

こんなスタイルで作業します

服装は安全で清潔、動きやすいものを。木の枝でケガをしたり虫に刺されたりするので、夏でも長袖を着て、冬は防寒着を着ます。また、高所作業や石材など重いものを運ぶので、ヘルメットは必須。ズボンは膝が曲げやすく動きやすいものをはきます。靴は、木に登るときは木を傷めないように地下足袋を、土木作業を行うときは安全靴を。ベルトには木バサミや剪定バサミなどの剪定用具のケースを取り付けます。そして、木登り専用のロープやサドル(安全帯)、安全保護具を使って木に登ります。必要に応じてゴーグルやマスク、特殊手袋などを着用することもあります。

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